圧倒的多数の人は、一生を昼間のあの地図の上だけで生きる。たとえ人ならざるものが目の前に立っていても、彼らの目は自動でそれを素通りし、あとで「きっと疲れていたんだ」と言う。
街の裏側には妖怪が住んでいる。だが多くは、人を見るなり襲いかかる化け物ではない。それぞれの規則、欲求、記憶、そしてこの街との何らかの関係を持っている。
この街には、深夜を過ぎてからしか開かない学校がある。校舎は街の二枚目の地図に隠されている。土地の脈に「印」をつけられた者のもとには入学通知が届く。