古い家屋の門楣から符紙を剥がすと、壁に深い色の痕が残る——一段欠けた円。欠け口は決まった位置にある。同じ図案は、この壁だけにあるのではない。
ごく少数の者が、都市そのものを聞く——地脈が流れ、古い廟が囁き、妖怪が声を上げる。初めはたいてい耳鳴りだと思う。それには代償がある。