惑星脈動

計器が地下 37 キロで規則的なパルスを検出した。72 秒に一度、一分の狂いもない。これほど正確な地質活動はない。そしてその間隔は、ひそかに短くなっている。

最終更新:2026.06.20

計器がケプラー942c の地下 37 キロで、規則的なパルスを一種検出した。72.0 秒に一度、一分の狂いもない。

地殻構造から推定すれば、この深度のパルスの特徴は低周波、非周期、単発のエネルギーピークは 10 ジュール未満のはずだ。実測値は 64 ジュールだった。初回の記録は累計 435 回、中断率はゼロ。そのうち百数十回は軌道捕獲より前のもの——探査機がまだ減速段にいた頃に残した背景記録だ。

波形そのものもおかしい。立ち上がりは短く鋭く、平坦部は震えず、線全体が実験室の信号発生器から出た方形波のように綺麗だ。天然の下部地殻のパルスは、踏まれた麻縄のような形をしている。

ヤヌスはあらゆる非生物起源の可能性を一通り照合にかけた。地殻運動、マグマ活動、地磁気変異、人工源。どれも消され、灰色の枠は消えず、その横にむしろ 2 つ増えた。

信号振幅の微縮:振幅は一件ごとに 0.7% 増加。
信号周期の微縮:周期は 72.0 秒から 71.96 秒へ縮小。

それ以降、どの読値も前の一件より短い。71.91、71.87、71.83、71.82、71.81、71.74、そして 71.70——72 秒の整数位が初めて割られた。この時間の幅は 3 日に満たない。

なぜかと問えば、ヤヌスの答えは「わからない」だった。航路、反応炉、空気循環、それに 10 万基の休眠艙を管理するこの主制御 AI は、毎日一万回を超える判断の提案を出し、そのどれにも確率分布を添える。「リスクは推算に足りない」と言い、「資料が足りない」と言い、小数点以下 6 桁の生還率を出す。まる 4 年の航程で、それは「わからない」と言ったことがなかった。

この信号は艦内の階層も一段ずつ上がっていった。初めはただの未確認の灰色の枠で、次に除外リストが一項ずつ消されて自分だけが残り、それから同じ一枚の時間軸に積まれた——空気標本の未識別有機分子の濃度と、何人かの呼吸のリズムと、艦全体の生存率の推算値と並べて。4 本の曲線を重ねると、向きは一致していた。

周期の 1/10 は 7.2 秒。この数字はのちに、艦内の別の場所に現れた。

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