五大文明法脈
学院は5つの分院に分かれ、五つの文明の術法に対応する。東方方脈、西方魔法、インド咒輪、中東星砂術、アフリカ祖霊契約。五脈の世界の見方は、互いにまるで噛み合わない。
万象学院は5つの分院に分かれ、五つの文明の術法伝承に対応する。座次は方位で固定されている。東方分院は東、西方分院は西、インド分院は東南、中東分院は南、アフリカ分院は西南。夕食の広場のあの5つの長い石卓も、合同教室のあの5つの低い卓も、この方位どおりに並べられ、卓の縁の浮彫は5つそれぞれ別の様式である。分院が受け持つのは宿舎だけで、授業は主庭区で行われ、五脈の学生は同じ広間に入る。
東方方脈が行くのは符籙、陣法、地脈、奇門で、用いるのは紙、墨、銅、糸である。分院の中庭では、筆画は漢字に似ているのに偏旁の位置が違う古体字を墨筆で書いている者がいる。端座して目を閉じ、その周りの空気だけが中庭のほかの場所より一、二度低い者がいる。指で空中に五芒星を描き、描き終えると同時に消える者がいる。何かが据えられ、そして取り去られたように見える。
西方魔法が説くのは呪文、魔杖、錬金、契約であり、銀青の光、古書、金属の環、そして鏡である。鏡の中には影が一つ多く現れ、手を上げる仕草が本人と合わない。西方脈の者は口を開く前に人差し指で空中を軽く一度撫でる癖がある。あれは計算している。
インド咒輪は音、呼吸、チャクラと梵音に拠り、金色のマンダラと震動の波紋を伴い、挨拶は片手の合掌である。この脈は血脈の世襲を重んじ、亡くなって久しい年長者が今も鏡の中で口を開くことがある。
中東星砂術が用いるのは星盤、砂、火、そして予兆である。分院の中庭の中央は、色の濃い、焼かれたような砂の池で、その中央に古い青銅の星盤が据えられ、極めて細い指針がひとりでに動く。学生のポケットの小さな布袋を一つ空ければ、砂は木目の上で自ら集まって形になる。
アフリカ祖霊契約が拠るのは鼓、仮面、血契、そして祖霊である。毎晩20:30に鼓が起こる。一つ打ち、3秒止め、また一つ。人を一人覚えるには、手を伸ばして相手の肩に一度触れる。
五脈の者は互いにあまり信用していない。世界の見方が互いにまるで噛み合わないのである。東方は師承を説き、西方は契約を説き、インドは家族を説き、中東は天命を説き、アフリカは祖霊の意を説く。それでも入学の第一課だけは、五脈が一致する。それは「看」と呼ばれる。脈ごとに見る仕方は違うが、最初に学ぶべきことはどれも同じである。「あってはならないもの」に気づくこと。半地球を隔て、言葉も通じない五つの文明が、なぜ第一課だけ同じなのか——最初の一週間で、それを考えにいく者はいない。
観測者コメント
0 件
