世界觀注目
欠けた万法
散修は「功法とはこういうもの、頼みは天分と運だ」と信じる。だが欠けかたが整い過ぎている――天意とは思えぬほど整然と。
最終更新:2026.06.20
散修たちはこう信じる――「功法とはこういうもの、頼みは天分と運だ」。上達できぬのも、丹が脈を壊すのも、突破の折に走火するのも――すべて根骨の悪さ、運の悪さのせいにする。
だが同じ吐納訣の十数部の写本を並べて比べてみれば、欠けているのは同じ箇所だと分かる。坊市で最も売れているあの丹を何度もひっくり返して見れば、いつも壊れているのは同じ一味だと分かる。欠けかたが整い過ぎている――天意とは思えぬほど整然と。
万法はみな欠ける。問題はそもそも「なぜ欠けがあるのか」ではなく――この欠けは、誰が残したのか、そして誰に残したのか、だ。
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